地域医療を面で支える医療連携
「もしかして深刻な病気かしれない」と不安を感じるような症状が出た時、皆さんはどうされますか? おそらく「最新の機器が揃っていて専門の医師がいる大病院に行く」と答える方が大半ではないでしょうか。 でもちょっと待って下さい。大病院、中小病院、診療所はそれぞれ地域のなかでの役割分担があるんです。
病院と診療所の役割を知りましょう
日本の医療提供体制は、ごく一般的な医療から高度な医療まで、必要とされる医療は身近な生活圏で受けることができるような体制が整えられています。
この体制なかで、かぜや腹痛、生活習慣病の治療など一般的な医療を担当するのが診療所です。
そして診療所よりも少し専門的な治療や、一般的な入院医療を扱うのが中小規模の病院、大学病院などの大病院は、高度な救命救急医療、臓器移植のような専門性の高い医療を担っています。
このようにそれぞれが役割分担しつつ、ネットワークを組んで地域の医療を面で支えているのです(医療連携)。
冒頭の話に戻ると、病気になった時に最初にかかっていただきたいのは診療所です。
診療所はより専門的な医療が必要な患者さんに適切な医療機関や医師を紹介する役割も担っています。
これには「3時間待ちの3分診療」に代表されるように、軽症患者が大病院の外来に押し寄せる現状を改善し、大病院には本来の役割である重症患者の診療に集中してもらおうという狙いもあります。
現在ベッド数が200以上の病院は、ダイレクトに受診した患者さんから初診料に上乗せして費用を徴収していいことになっていますが(数千
円のところが多い)、診療所医師などの紹介状がある場合はこの費用はとられませんから患者さんにとって、経済的でもあるんですよ。